当時読んだ書評に絶賛されていたのと「猫鳴り」という響きに惹かれたものの、文庫本が出たら買おうとamazonの欲しいものリストに入り続けていた作品。ふと寄った本屋に積まれていたのを見つけて、ようやく手に取った。
ようやく授かった子供が流れてしまいどこか心に穴が開いてしまった中年夫婦や冷ややかな心を持った少年猫を通じて、自分の心を取り戻すといえば温かい物語が広がっているようだけど、どこか心地悪い。人の持つ冷徹さをオブラートに包むことなく描いていて、それと猫の健気さとの対比が猫らしさをより表現しているのだろうけれど、ありありと描かれてしまった人間にむしろ気分を悪くさせられた。特に2部は必要だったのだろうかとさえ思ってしまう。3部の飼い主と猫の淡々としながらも濃密な時間の前に、もう一つ踏み台になる2部であってほしかった。
まぁ、それよりも何よりも、巻末の解説が酷すぎて、これを目当てに読んでも良いくらい。
猫好きのために買って、猫好きの元へ。だから手元には残さない。
