ACL敗退

とにかく残念な試合になってしまった。

 

試合は1-6で全北に完敗。試合早々にキムボギョンが悪質なヘッドバッドを受けて顔面骨折で交代。ただでさえ中盤は怪我人で選手が離脱しているのに、フィジカルの強いボギョンの退場は、チームの士気に大きく影響しただろう。その後、やはり中盤の扇原も接触で出血し包帯を巻きながらプレー。ACLでの韓国や中国クラブのラフプレーは以前から言われていたが、目の当たりにすると閉口してしまう。

 

ボギョンに関しては、全北との前の試合やグループステージでも執拗に狙われていて、チームメートで同じ韓国人のキムジンヒョンから「あいつはよけるのが下手」と冗談交じりにからかわれていたが、冗談で済まされない事態になってしまった。ヘッドバッドを受ける直前にも足の蹴り飛ばされ、そのプレーにイエローカードが出ている。Kリーグを経ずにJリーグ入りした嫉妬だとか言われているけれど、パクチソンの後継者と目され韓国のA代表やU22でも活躍する自国民の選手を完全に潰そうとする彼らは正気なのだろうか。

 

ボギョンが抜けたことが影響したとは言え、その後が酷すぎた。唯一日本勢で勝ち残ったクラブなのだから、俄然注目が集まる。セレッソというクラブを少しでもメジャーにするためには、たとえ負けたとしても良い試合をして欲しいところだった。常に先手を許しながら終盤で逆転勝ちを収めたファーストレグは、見る側からしたら最高に盛り上がる試合だっただけに、今回の惨敗で「他のクラブがでればよかった」など、手のひら替えしがすさまじかった。この期待と注目度こそACLに出ること、日本の代表クラブとして戦うことなのだとつくづく感じた。

 

最も残念な出来事が、全北のサポーターが掲げた「地震を祝います」の横断幕。

横断幕内容に関しては言わずもがな、普段はACLなど見向きもしない全国ニュースで、試合そっちのけで報道され、帰国した選手へのインタビューは試合内容のことではなく、横断幕についてのことがメインになってしまっているのが悲しすぎる。おそらく試合を見すらしていない報道陣も大勢いたのだろう。

 

日本でも起こる相手チームなどを中傷する横断幕や応援。その度にクラブが謝罪し、再発防止策を練るものの「一部のサポーター」がたびたび同様のことをしている。相手を挑発するのがサッカーの応援の文化と言うのもわからなくもないが、度を超せば今回のように有益なものは何も生まないのに。

 

今回はさらに民族感情が入ることで、さらに問題を大きくしまっているから手のつけようがない。セレッソとしてこの騒ぎは何のメリットにもならないし、抗議をしAFCに裁定を委ねたことでクラブ側からこの問題を放したいのだろうけれど。

 

さて、セレッソの話。

今年は、世代別も含め代表戦を見る楽しみが増えた。A代表には、セレッソ出身の香川に一気にブレークした清武。U22には、清武を含め山口蛍、扇原と選ばれている。杉本もこの先呼ばれる可能性がある。しかも、清武を除けばユース出身者だから、余計に愛着がわく。しかも、ついでにイケメン。2002年以降、日本代表には大久保が選ばれていたくらいだったから、好きなクラブに所属する選手がいる日本代表をなかなか味わうことが出来なかっただけに、今の代表戦はまた少し違った見方になってしまう。ただでさえ選手層が薄いなか、代表に連れて行かれるのはいかんせん微妙だけれども。

 

また香川や乾のように海外へ飛び立つ選手達なのだから、彼らがいるうちにいい加減、タイトルをとれないものか…。今年はもうナビスコと天皇杯しかチャンスはないけれど。つくづく、ACL優勝して、クラブW杯に出て欲しかった。

 

歴史的勝利


 

歴史的勝利というと聞こえがいい。けれど、どこか悔しさが滲み出る言葉でもある。新しい歴史の階段を一段のぼった嬉しさを感じつつ、それより下に階段がなかったこれまでを思い出さずにはいられないからだ。

 

試合前の会見でガンバの西野監督は「セレッソとは歴史が違う。」と、ダービーならではの挑発をしていたが、両者に横たわる歴史の壁はわずか6年にも満たない。2005年の秋、関西勢初のJリーグ王者の座はガンバではなくセレッソが手中に収めようとしていた。少なくとも最終節のロスタイムまでは。が、ロスタイムで失点し引き分けに終わり、王者の座はガンバのものとなった。翌年、セレッソは低迷し降格、J2からも抜け出せずにいた一方、ガンバは天皇杯、ナビスコ、ACLなど主要なタイトルを手に入れ強豪クラブの一つとなった。セレッソはその年の天皇杯での勝利以降、ガンバには勝てなかったことも考えれば、短い期間で大きな歴史の違いができてしまったのは否めない。

 

2部に落ち、選手が入れ替わり新しいチームカラーを模索したが、資金力でも倍ほど違う中で、セレッソのクラブとしての立ち位置は難しかっただろう。育成という口で言うほど容易くはない方向へと舵を切り、クルピ監督を再招集したことでクラブの第二期が幕を開けたといってもいいかもしれない。香川、乾が開花し、ユース出身の選手もようやく芽が出始めたところで、ベスト8をかけたACLでの大阪ダービー。クラブを愛する誰もが身を切る思いで試合を見つめ、勝利を願っていたはずだ。

 

決勝ゴールを決めた高橋がブログでこう綴っている。

 

たったあの一瞬だけですが

ようやく『20』の仕事が

できたのかな。

 

高橋の背番号20は、セレッソの顔のひとりでもあった西澤がつけていたもので、セレッソにとって大切な背番号の一つでもある。輝かしい歴史はないけれど、クラブに所属したひとりひとり作り大切にしてきた歴史が広がっている。その歴史は、決して強豪に負けるものではないし、むしろどこよりも歴史にプライドを持って接している。それは例えばセレッソを背負ってきた森島、香川と引き継いできた8番が今年は該当者なしとして欠番になっていることからも分かる。クラブの歴史を背負うなら、それに見合う実績をということなのだ。

 

今年は、ACLという新しい階段を手に入れたと考えよう。階段の下はない。ただひたすらに登っていけばいい。

 

 

 

桜の咲く頃に

先日、森島寛晃の引退試合を見に大阪まで行ってきた。引退試合とはいえプレシーズンマッチを兼ねていて、出場はわずか5分程度。数回ボールタッチをした程度のもので、主役がゴールを量産するいわゆる引退試合とは一線を画したものだった。

試合中、ベンチ前に転がってきたボールにいち早く反応して、ベンチを飛び出して取りに行きボールボーイに渡してていて、観客の笑いを誘っていた。自分の引退試合なんだから人に任せればいいのにと思うのに、そういう人のよさも彼の魅力の一つ。

彼の出場と時を同じくして雨が降り出したのも、彼らしいというか。雨に濡れるからという理由で、自分のセレモニーを早めに切り上げさせたところまで彼らしさの演出のためのものだった気がしなくもない。

原因不明の首痛で試合に出場できなかった2年間の間にJ2に落ちて観客の平均入場者数はピークの3分の1まで減った。ミスターセレッソの引退試合の今回の入場者数も2万人に満たない数で5万人収容のスタジアムは指定席を中心に空席が目立っていた。せめてJ1にいれば、もう少し歓声に満たして彼を送ることができたのだろうか。

試合内容では、日本代表に定着した香川はボールをもらった後の一歩目の動きだしで完全に相手を置き去りにしていて、もはや別次元。乾の強引な突破は目を見張るものがあるし、新戦力のマルチネスの展開力も魅力だった。準備段階のガンバ相手とはいえ、圧倒的にゲームを支配した内容だった。若い伸び盛りの力がチームの中心になっているのは頼もしい。この戦力をJ1のステージで見てみたいと強く思った。

今日の開幕戦も勝利し1節終了時とはいえ首位。今年は、J2に東京V や横浜FCがいてくれるおかげで、試合も見に行きやすい。サッカーを楽しめる年になりそう。

もうすぐ、セレッソの季節。そして秋に再び桜が咲くように…。