恋愛週間7


ベッドにうつぶして、ヘッドホンから聞こえる音楽のボリュームを最大限あげた。




花火の音が家まで届くことに、この年になって今更驚いた。
「音が聞こえるなら、花火も少しは見えるだろうか。」
そんな気分にはならず、屋上に上がろうという考えすら浮かばなかった。




思いもしない形で、こんなに切なくさせなくてもいいのに。
花火の音が連続で聞こえる度に、心が打たれているようだった。




きっと、彼女はこの音と共に光も浴びている。
誰かの手をひっそりと握って。
浴衣を着て髪をあげて。




目をつぶると、花火の鮮やかな光が照らす横顔が浮かぶ。
その美しい横顔は、もう聞こえない音よりも心を打ちつける。
「白い浴衣は透けるから。」
そう言っていた彼女は、ぶたの裏で紺色の浴衣を着ている。
帯は、下駄は、、、
そうして、どんどん彼女は、鮮明になっていく。




苦しくなって目を開け、まだある残像に思いをはせる。




花火の音より強いこの思いは、彼女の元まで届かないのだろうか。

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