「食パン158円が1点、カップラーメン117円が2点。アロエヨーグルト385円が1点で…合計777円になります!」
と同時にベルがなり、「おめでとうございます!よっ今日のラッキー男!!!」と、威勢のいい声がした。あっけに取られる僕をおいて店員は続ける。
「福男と違って全力疾走しなくていいので、お爺ちゃんお婆ちゃん並の体力のあなたでもOK!しかも、何度でもトライ可能ですよ。まぁ、計算できる脳のなさそうなあなたは、間違いなく偶然777円になったんでしょうけど、計算できるなら計算してもいいですよ!見た感じ、電卓すらまともに使えなさそうですけどね。ちなみに、今日777円のお買い物をされたのはお客様で3人目です。」
3人もいるんだと、盛り立てられて自然と嬉しくなった気持ちは、そこで少し水を浴びた。
それを察したかのように
「でも、男性は今日の一人目ですよ!しかも、私がレジをやっていて初めてのラッキー男です。私まで幸せな気分が味わえて、本当に嬉しいです。」
いやいや、そんな潤んだ瞳で見つめられても困ってしまうがが、悪い気もしない。
「何か特典はあるの?」と聞くと、店員は黙ってしまった。
何か悪いことを言ったかなと思いつつ、二人の時間を先に進めるために1000円札を財布から取り出して渡した。
ふと我に返ると、お釣りは223円です、と気だるく言う大学生風の男がレジに立っていた。
「まだまだだな。俺がお前だったら1,554円渡して、お釣りの額も777円に揃えるよ。本当に運を手に入れるためには努力が必要なんだよ。もういっかい修行してこい。」
眼鏡の奥のクールな彼の目が明らかにそう言っていた。
そんな妄想に浸れた777円の買い物。