嫌われ者の遠吠え


最近、駅で電車を待っていて気付いたことがある。

自分の後ろに並ぶ人数が、他の列に比べて明らかに少ない。一番前に並んだ時などは、他の列の半分すらいない時がある。

単なる思い過ごしならばいいのだが、加齢臭でも漂っているのかと、不安になってしまう。匂いでないとするのなら、殺気で人を寄せ付けないのだろうか。

確かに、外見の悪さなら、あまり弁解の余地はない。コンタクトの入っていない朝は、目つきが相当悪いらしく友人にも
「怖い。」
と散々言われるし、
「これまで何人殺してきた?」
とまで揶揄される。
もちろん、直接的には、まだ一人も殺していない。

ただ、後ろに並ぶ人数が少ないのはコンタクトを付けてない朝だけではないし、一番前に立っていたら、目つきの良さ悪さは関係あるまい。後ろに目が付いているわけでもあるまいし。

ならば、本当に殺気だったオーラでも出しているのだろうか。
そういえば、大学にいたころにも、「さっき、掲示板の前にいたのを見つけて、声をかけようかと思ったけれど、
オーラがでてて近寄りがたかった。」
と言われたことがある。
だがそれは、単位取得のことで切迫していた時だからだと思うのだが。

確かに、人を寄せ付けようとは思わないけれど、赤の他人に避けられ、しかも、おそらく無意識のうちに敬遠されると、人そのものから疎外されている心持になってしまう。強がりで、孤独を愛する自分は、それを悪いとは思わないけれど、少しだけ本音を言えば、寂しさも感じる。だって、哀愁漂う秋だし。実は寂しがりやだし。

だからといって、
「俺の後ろにも並べよ!」
と憤慨するわけにもいかず、悶々とする日々が続いている。

「こんなに温厚な人に対して、なんだよってたかって、このやろぉ!」
月に向かって吠えてみようかと考え、窓の外を眺めたが月など出ていない。

月さえも人を馬鹿にする。

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