かつて自分がしたように、川面を眺めながら泣く姿を見ていると、
懐かしさが込み上げてしかたない。
しかも、同じ場所ならなおさらだ。
踏みつけた草の感触や川を渡って川原を吹き抜ける冷たい風、
後ろから聞こえた子供の声までもが蘇る。
それらは、まるで主人公に感情移入しているかのような錯覚を起こして、
内容は、期待したほど面白くないものの、
咀嚼後の後味は、思いの外良好で、すんなりと体に染込んでしまった。
確かに、空も飛べると思っていた時期は過ぎて、
今は重力すら重くのしかかる。
想像力という体力は、年とともに薄れてしまっていて、
現実に苦悩し、どう乗り越えるかしか考えていない。
乗り越えた先に見えるものは、
決して空から見れたはずの光景でないことも、
もはや知ってしまった。
それでも、自分の限界を決めるのは自分自身なんだと、
何度も言い聞かせたことを、再度確認させてくれた。
自分の立ち位置を確認するために、一歩だけ後ずさりしよう。
そして、もう一度…。