ラフ


「最近、服装がラフになりすぎじゃない?」




と、帰宅したとたん、
早めの夏休みをとったものの、やることがないらしい姉に言われた。
ワイシャツでなくていいから、せめてシャツをピシッと着て、
肩掛けのバックをやめて、ビジネスバック風の物を持って欲しいとか。




自分の記憶を遡っても、そんなファッションを着ていた覚えがなく、
姉の好きな人か、別れた彼氏の格好かとも思った。
ラフだというならば、確かに、最近はツギハギのジーパンを買ったし、
フォーマルから少し離れ気味ではある。
だが、そう見えないのはあくまでも夏になって暑いため、
ジャケットを羽織っていないからに過ぎない。




そう考えつつも、社長秘書との一件を思い出した。
やはり、自分のイメージと他人の持つイメージは違うのかもしれない。
自分に限らず服の好みというものは、
巷の流行より、はやりすたりが激しいもので、
着たくはないけれども、着るものがないので、
背に腹はかえられずといったことも多い。




姉の言葉は、いかにして自分の好みを客観的にコントロールしていくかが、
重要な課題であると、考えさせられた。




だが、今になって思えば、
朝も夜も、パンツ一枚でウロウロしていることに対して
言ったものなのかもしれない。




考えれば、考えるほど、その確信が強くなってきた。




あの目は、
「ラフすぎて、目のやり場がないのよ。」
と、言っている気がする。

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