バッファロー’66

いい映画と言われる所以も分かる。刑務所を出所した当初、些細なことで怒鳴り散らし見栄を張っていたビリーは嫌な奴としか映らない。映画が進むにつれて垣間見せるビリーのどうしようもない寂しさや時折みせる優しさのギャップに落ちて、彼の育った環境に理解を示す余裕があれば受け入れられるのだろう。そんなシーンを作るのも上手いと思う。例えば、浴槽の中で小さく膝を抱えているビリーにはいたたまれなくもなるし、レイラとのプラトニックな関係も「いい人」のように感じられる。受け入れられる人は許すことを知っている優しい人であり、さらには自分自身を心底嫌ったことはなく、孤独がどんなものなのか愛されないことがどういうことなのかを知らない恵まれた人でもある気がする。お前はなんだよって話だが…。

 

個人的には、ビリーの見栄のために拉致されて、妻として親に紹介させられる羽目になったレイラの心境の方が気になった。拉致され、怒鳴り散らされながらも彼に着いていき、彼女なりに良い妻を演じ、ビリーを受け入れようとするのだが、その心境がいまいち分からない。だいたい拉致された段階で、ビリーがマニュアルが運転できないという理由でハンドルを握らされているんだから、ビリーが車から降りた時に逃げればいいのにと思ってしまう。ビリーから離れられない理由は彼が垣間見せる優しさに惹かれたというのが理由の全てだと思えない。レイラ自身の寂しさや生い立ちに要因を求めるべきものだとばかり考えながら見ていたら、肩すかしをくらった。

 

とにかく、弱い相手にしか怒鳴れないビリーをどうしても好きにはなれなかった。

 

バッファロー’66 [DVD]

販売元:ポニーキャニオン( 2000-03-17 )

時間:113 分

1 枚組 ( DVD )


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