カモメのジョナサン

大海原を背景に飛ぶカモメ、沈んでいく太陽を背に新しい世界を探しに行くカモメ。そんなカモメの冒険記かと思っていたら、そんなワクワクするような場面は第一章で終わってしまった。

 

第二章、第三章と続いていく物語に腑に落ちなさを感じていたのだが、その違和感を訳者、五木寛之氏が的確に解説していた。物語の中に母親を除いて1羽も女性のカモメが搭乗せず、友情と先輩後輩の交流だけが描かれ、食べることと、セックスが注意深く排除されていると。そういった点が、新興宗教の教本として取り上げられることもあるとか。確かにジョナサンが伝道師のように、信念を持ってカモメに飛ぶことの意義を教えている点で、宗教的な臭いはするけど、この本に感化されてしまう人はどれだけ純粋なのだろうか。

 

純粋でない自分としては、ヒロインがいてこそ物語としての味があるんだ。そんなことを学んだ本。

 

 

 

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