担任の先生が唯一の登場人物。
ただ、彼は小学校の時の大好きだった先生でもなく、中学校の時の大嫌いな先生でもなく、高校のときのすっ呆けた先生でもない。一方で、彼ら全員でもあるような、「担任の先生」を具象化した担任の先生だった。
僕はただ彼に話しかけるだけ。声のみで。
「分かってるんだよね、もうダメなのは。才能が無いことは。」
少し嘲り笑ったように。この意味の無い笑いがいつも嫌い。
そして続ける。
「どうしたらいいと思う?」
担任の先生は何も答えない。
そこで暗転。舞台装置が変わりもう次の全く違うあらすじの場面へ。
けれど、自分が言ってしまった言葉だけは消えずに劇場にこだましている。
言ったからといって楽になるわけでも、辛くなるわけでもない。分かっていること。今の正直な気持ち。
「あ、言っちゃった。」
とだけ思った。感慨もなにもない。
でも、本当に必要としているのは才能でもなんでもなくて、根気だったり努力だったり精神的な根っこの方。このカラカラとした心からは情熱が生まれてこないのだけれど、どこへ置いて来てしまったのだろう。
諦めるなら、最後にガムシャラになったあげく諦めたいけどなぁ。