さくらいろ


小さかったつぼみが、しっかりとした存在感を持つようになり、つぼみが微かに桜色に染まって、やがてその色が増して枝全体が桜色をまとうようになる。
桜が咲く直前が、実は一番好きかも知れない。生命力に満ち溢れて、つぼみから今にも弾けそうな桜が地味かもしれないけれど、一番生き生きとしている。開花してしまえば、桜の木として一体になってしまうのに、その時期だけは、つぼみの一つ一つが存在感がある。

とても単純なこと。
ひたむきさも、真摯な姿も
全ては、花を咲かせるために。
何にもとらわれずに、ただ街を桜色にそめるため。

「もっと生きることに誠実になりたい。」
大真面目に言っているのに、あなたは隣でクスクス笑う。
小さなことに惑わされず、単純に生きたい。無駄な駆け引きせず、誠実に面と向かって人と接したい。人の良いところを、もっと見つけられる人でいたい。もっと人を好きでいたい。もっとあなたを好きでいたい。

10年以上、直隠しにしていた過去を話せば、何かが変わると思うなんて大きな勘違いかもしれないけれど、その過去を暴露してしまって、心の中が半透明になった。自分の心がよく見通せる。こんな小さなわだかまりに、持っている全てのプライドを詰め込んでいたなんて。それが分かっただけでも、少しだけ誠実に生きれる気がする。

散った桜の花が、何年かしてつぼみに戻った気分。咲くも咲かないも自分の意思だし、何色に咲くかさえもまだ決められる。

春まであと少し。

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