映画を見終わると、意味のある良い邦題だなと思う。
DVDのパッケージには、アフガニスタンの裕福な家庭で育つアミールと召使いの息子ハッサンとの友情物語のような書かれ方をしていたけれど、そんな単純なものでもない。口では親友という関係だが、召使いの仕事もするハッサンはアミールにとって親友というより子分といった方が近いし、ハッサンもアミールに親友という心情で接しているとも思えない。アミールが親分としての気概でもあればよかったのかもしれないが、そんな大きい人間でもなく、親分子分の関係に亀裂が生じ離ればなれにり、やがてアミールはソ連の侵攻によってアフガニスタンを離れることに。けれど、お互い忘れることもなく本当の友情が芽生える、ということなのかもしれない。
その模様が淡々と描かれているし、転機となる一つ一つの要素は非常にありきたりで分かりやすいものだけれど、嫌らしさはない。そこから一転して米国に亡命したアミールがタリバン支配下のアフガニスタンに潜入する終盤はスリルもある、といいたいところだけれど、ちょっと出来すぎているし、アミールから緊迫感が伝わらないのが唯一残念なところ。
アフガニスタンはもちろん、アフガニスタン社会の文化や人種差別を垣間見せながら進んでいくストーリーが違和感なく心に吸い込まれていくのは、脚本や子供達の演技によるものなのだろう。原題にもなっている凧揚げの場面のカメラワークなども、見ている方につかのまの休息を与えてくれる。
大人達がアフガニスタンに山積する問題をぶちまけあって、でも何の解決策も生み出せていないのは映画も実際も同じなのだろう。もどかしい中でと思いたい。
